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2007年2月 8日 (木)

いわゆる第4文型<V+■+■>の感覚:『受け渡し』の感覚

いわゆる第3文型から第1文型、第2文型と見てきましたので、ここまでくると後はこれらの応用という感じですね。
今度は、いわゆる第4文型<V+■+■>のカタチです。

このカタチは第3文型(<V+■>、SVO)の行動の“対象”=目的語(O)が二つあって、SVOOとなっているカタチですね。
基本は、まず主体と客体(対象)が存在していて、その間で、力が及んだり、影響を及ぼしたりする感覚です。

行動の“対象”が二つ登場してくる場面は、どのようなものがあるかというと、
あるモノ・コトを、ある人に受け渡ししたりする時ですね。

例えば、もうすぐバレンタイン・デーですけど、
話題の女性からチョコレートを貰って、見せびらかしながら友人に威張ろうとしたとき、

She gave me the chocolate.

彼女から見て、登場する“対象”は二つ。“me”と“the chocolate”です。
“me”という行動のターゲットとなる“対象”に、“the chocolate”という受け渡しされるモノ(“対象”)が移動していくことを表現しています。
ここには明らかに受け渡しする感覚があり、その感覚があるときには、
いわゆる第4文型(<V+■+■>、SVOO)が使われることになります。

受け渡しするときには、“対象”が二つあるのだから、その対象を二つ並べる。
なんとストレートなのでしょう!(笑)

受け渡しされるものは、物でないときもあります。情報であったり、感覚的なものであったり、時間であるときもあります。
受け渡しされるものが何であろうと、『受け渡し』の感覚がある時には、いわゆる第4文型<V+■+■>を使う

大事なことは、受け渡しする授与動詞があるからこの<V+■+■>のカタチがあるのではなく、
このカタチがかるから、その動詞が授与動詞として機能するという感覚です。

文法用語では何故か、“me”に相当するものを“間接目的語”といい、“the chocolate”は“直接目的語”と呼ばれています。
彼女が直接手を触れるのは“chocolate”の方なので、“直接”目的語なのかもしれませんね。

ここで注意しなければならないのは、
『“直接目的語”に代名詞は用いない、用いると不自然に感じる』ということです。

例えば、先ほどの例文で、目の前に見せびらかしているチョコレートがあるので、
それを指示代名詞にして、
She gave me it.
にすると不自然に感じるとのこと。

何故でしょう???
(正直なところ、私はそういう文を書いてしまっていました(苦笑))

これには英語(…というよりも言葉?)の特徴が関係しているようです。
それは『新しい情報は文の後ろ側に来る傾向がある』という特徴です。
itは代名詞なので古い情報です。
だから違和感を感じてしまうのではないかと考えられます。

では、何故、『新しい情報は文の後ろ側に来る傾向がある』のでしょうか…?

日本語にしても英語にしても単語を順々に書いて話したい内容を伝えます。
英語においては、『並べると説明』という原則がありますから、後ろ側に説明がどんどん繋がっていきますよね。
説明は、細かく言おうとするといくらでも細かくなります。
でもあまり細かく説明を付け加えていくと何を言いたいのか不明確になっていきます。
どこで止めるかというと、伝えたいことが十分に伝わりそうな内容まで説明を付け加えられた時。
最初に文の骨格となる大まかなことを言ってしまい、それから伝えたいことが十分になるように説明を加えていくと、
大抵の場合、後ろ側に伝えたい大事な情報(言葉)が置かれることになります。

伝えたいことは、新しい情報です。
酔っ払って同じことを何度も言う人がいますが、それは聞いていなくても何も問題はないです。
新しい情報は全く入っていないのですから(苦笑)

『伝えたい新しい情報は文の後ろ側に来る傾向がある』理由はそれだけではないかもしれません。

伝えたいこと(言葉)を後ろ側に置くことで、頭の中に余韻として残りやすくなります。
途中で大事なことを言っても、すぐ後に別の言葉が続いてしまった場合、途中で言われた大事なことは一時的に頭の中のメモリー(短期記憶)に蓄えられてもすぐに上書きされる(過去の言葉として追いやられる)ことになってしまいます。
文の後ろ側に伝えたい新しい情報を置けば、上書きしてくるものがないので、響きが残ります。頭の中に残っていきます。
人間の認知メカニズムによるものなのかもしれません。

日本語でもそうですよね。
火曜サスペンス劇場で、
「お前が犯人だ!」
というより、
「犯人は、お前だ!」
と言った方が響きが残りますよね(笑)

だから、先ほどの例文では、“it”という古い情報が後ろ側に来るのは不自然。
She gave it to me.
と言った方が自然なのです。

伝えたい新しい情報は文の後ろ側に来る傾向がある』は、かなり大事な特徴なのかもしれないですね。

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